北京のパンダたち

北京で留学する3人のパンダたちが、日々見て感じた中国をお伝えします!🐼🇨🇳

一年半ぶりの北京と中国の戸籍のお話

ブログがあまりにも久しぶりすぎて、どうやって書いていたのかを忘れそうな勢いですが、頑張って書きます!笑
 
おひさしぶりです、あきパンダです🐼
 
3月の卒業を目前に控えて、卒業旅行も兼ねて北京に遊びに行ってきました。
北京は留学から帰国した以来なのでなんと一年半ぶり(!)
 

f:id:beida_panda2016:20190305230042j:plain

いつ来ても綺麗な未名湖@北京大学
今回の旅の目的は、北京の人に会うこと。
自由時間は丸二日間と短かったのですが、頑張っていろんな人に会ってきました!
 
まず、一年半ぶりに北京に降り立った時の気持ちとしてはですね。
北京を訪れた経験のある方ならお分かりだと思うのですが、
空港から中心地までの道のりがすごく長いじゃないですか。
 
その只々真っ直ぐな何もない道を、車からぼんやりと見てると
 
留学中に日本や他の都市から北京に帰ってくるたび、
「北京に戻るとなんだか安心するなー、、、」と思っていた当時の感情が蘇ってきて。この感覚を久しぶりに味わえただけですでに胸がいっぱい!笑
 
今回会ったのは、
中国人の元ルームメート(こちらの記事にも登場してます)、翻訳家・作家として活躍している元ランゲージパートナー、北京大学の友達、そして今北京大学で留学している大学の後輩たち。
 

f:id:beida_panda2016:20190305230016j:plain

大好きな元ルームメートと♡
 
みんなの顔を見たら、一年半という期間が空いたとは思えないくらい、自然な時間を過ごすことができて。すごく嬉しかったです。
けど振り返ると、お互い一年半の間にいろんなことがあったねって。
 
私は3月に卒業、就職も決まり4月から働くことになりました。
元ルームメートは、大学院を卒業後教育系の会社で働いています。
元ランゲージパートナーは、新しい本を出版して。娘さんも大きくなってて。
当時一年生だった友達はもう三年生で、進路を考え始めてて。
四年生だった友達は、大学院で勉強に励んでました。
留学頑張って!と言った後輩は、がむしゃらに色んな事に挑戦してて。
 

f:id:beida_panda2016:20190305230034j:plain

北京大の友人たち☺︎
 
変わっていないようで、少しずつ前に進んでる。
場所は違えど、一緒に頑張ろうね!そんな会話ができて、元気を貰えました。
 
北京は思い出が詰まった、元気をくれる街!
またしばらく経ったら、みんなに会いに行きたいな。
 

f:id:beida_panda2016:20190305230024j:plain

いつも授業を受けていたビル
 
と、私の思い出話ばかりになってしまったので、
今回の旅で聞いた興味深い話をシェアします。
 
というのも、中国の戸籍のお話です。
 
中国も日本同様、戸籍制度がありますが、異なる点は「農村戸籍」と「都市戸籍」に分かれていることです。
 
都市部に人口が集中するのを避けるため、というのがこの制度の最大の目的です。
都市部に出稼ぎとして移住することや、都市部の大学に進学できても、さまざまな条件をクリアしないと「農村戸籍」から「都市戸籍」に変更することはできないし、「農村戸籍」のままだと社会保障を受けることができない等、多くの厳しい現実が待っています。
中でも、北京や上海といった大都市の戸籍を取得するのは本当に困難なことです。
 
なんでこの話をするかというと、偶然ですが、今回会った元ルームメートと元ランゲージパートナーの二人と戸籍の話になったからです。
二人の出身や立場が異なるので、違う視点から戸籍の話を聞いて面白かったです。
 
元ルームメート
彼女は青島の出身です。北京大で金融を専攻していたのに、それとは無関係な教育系の中小企業に勤務しているので、疑問に思っていました。
 
彼女にその訳を聞くと、「今の会社なら、一年働くだけで北京戸籍を申請することができるから、とりあえず一年働いて転職するつもり」と。
 
さらに続けて、「もしこの先、北京で暮らしていきたいと思うなら、北京の戸籍がどうしても必要だよ。戸籍がないと車も家も買うことができない。子供を北京の公立の学校に入れることもできない。そのために何千万のお金を払う人だって沢山いるけど、みんなそれ程価値のあることだと思ってる」と。
 
北京大学を卒業した彼女でさえ、北京で生きていくのはこんなに大変なんだ...と、この話を聞いて実感しました。
 
元ランゲージパートナー
彼女は現在、両親と自分の夫、娘と北京で暮らしています。親の代から北京に住んでいるので、いわゆる老北京(ラオベイジン)です。
 
娘さんはちょうど一年半前に北京の幼稚園に入園したのですが、
その際入園希望の児童が多いと、戸籍の優れている順に入園ができる、とのことでした。
 
北京の公立幼稚園に入園希望を出せる時点で皆北京の戸籍保持者なはずなのに、戸籍が優れてるってどういうこと?と聞くと、
戸籍が“優れている”という、4つの条件を教えてくれました。
 
1. 児童が出生時から北京にいること。(途中で引っ越してきていない)
2. 戸籍の「戸主」が、児童の両親のいずれかであること。
3. 自宅の不動産の所有者が、児童の両親のいずれかであること。
4. (3を満たしていた場合)住宅ローンが残っているかどうか。
 
だそうです。2や3は、祖父母の代の可能性もあるらしく、そうすると優先度は下がるみたいです。
元ランゲージパートナーは、3がどうしても祖父母の名義から変更できなくて、その点不利になってしまうと言っていました。
 
と、長くなってしまいましたが、二人の話を聞いていて、
 
中国の人々の格差が埋まらないのには戸籍問題も大きく関係していると思ったし、
なによりも、北京や上海で生活するとなったら、常に何かを追い求めていないといけない。常に周りと比較して競争して。きっと疲れている人も多いだろうなと思いました。
 
みんなの行き来が自由になったら農村は過疎化してしまって、中国を支えている農業が衰退してしまう...けど今の戸籍制度のままだと、手に入る教育資源や社会保障があまりにも違いすぎる。難しい問題です...
 
そして、もう一つ。
上記のことは、ネットにも本にも載ってなくて、
北京で生活する人たちから聞かないと知らないままだった話。
 
情報が溢れている時代、ついつい第三者が発信した情報に惑わされがちだけど、
 
リアルな情報や感情は、やっぱり面と向かって話を聞かないとわからないし、
そういう機会をこれからも大切にしていこうと思いました。
 
〜おまけ〜
中国では一人カラオケボックスが流行っていますが、北京の空港にもありました!
搭乗まで時間のある方、ぜひ一曲歌って時間を潰してみてはいかがでしょう!笑
ちなみに私は勇気がなくてまだ挑戦できてないです( ・∇・)
 

f:id:beida_panda2016:20190305230051j:plain

おひとりさまカラオケボックス笑